「“ちゃんとした人間”になる方法なんて、よくわからない(笑)」それでも幼い娘2人に伝えたいこと

 2021年に長女が、そして2025年に次女が誕生した吉田さん。大きなCHANGEがあったという。

「娘が生まれてから考え方がガツンと変わりました。娘に『ちゃんとした人間になってほしい』と思うんです。いままで『ちゃんとした人間じゃなくてもいいじゃん』と、どこかで思いながら生きてきたのに。それに“ちゃんとした人間”がどういうものかよくわからないし、ましてや“ちゃんとした人間”になる方法なんて、よくわからない(笑)。親からも学校でも教わっていないし、教えてくれていたのかもしれないけど身にしみていないし」

――すごくよくわかります。

「でも、いざ小さな娘と対峙すると、“この子に言えるのは俺しかいない”と思っちゃうんですよね。他人に口を出してほしくないと思っちゃう。いままで自分がやっていたことを棚にあげて、“正しい人間になってほしい”と」

――正しさ、難しいですよね。

「本当にそうなんです、難しい。人間、ちょっと悪いほうが楽だなと思いますよ」
 
――考え方の変化を受け入れたり、その変化を楽しむことは、とても素晴らしいことですよね。

「僕くらいの年齢になると、体も脳もCHANGEしてくる。要するに、徐々に滅びる方向に向かっていくんです。流れに身を任せればいい、という考え方もあるけれど、子どもが小さいので、まだそうはいかない。だから滅びゆくのを食い止めるために、いままでやらずに済んできたこと――筋トレだったり、頭の中に情報を詰め込んだりをやる。たとえば、崖から飛び立つ種目をする人とかいるじゃないですか」

――ウイングスーツ(手と足の間に布を張った滑空用特殊ジャンプスーツ)での飛行でしょうか。

「あれなんて一見できそう見えるけど、絶対できないですよね。でも、“できない”と決めつけないでやってみるのがいいのかな、とも思ったりします。“いつか自分はやるに違いない”と思って、まったくやらずに来たことを、そろそろやらないと、どんどん時が過ぎゆくのではないかと思っています」