稽古では叱られっぱなし「できないことが悔しくて、情けなくて、でもだからこそ必死で努力した」

 オーディションに落ち続け、17歳のときに初めてつかんだのがミュージカル『美少女戦士セーラームーン』(2003)のタキシード仮面役だった。

「オーディションには受かったものの、演技もダンスもアクションも何ひとつまともにできず、稽古では叱られっぱなし。できないことが悔しくて、情けなくて、でもだからこそ必死で努力した。いま振り返ると、本当にありがたかったなと思いますね。当時は、恐かったし、理不尽だと思ったけど(笑)」

 タキシード仮面は、とにかくカッコいい役だ。カッコよくマントをひるがえし、ステッキをまわし、赤いバラを飛ばす。

「尊敬を込めて、師匠と呼ばせていただいている幸村吉也さんがアクション監督で、文字通り、手取り足取り指導してくださいました。そのときに彼が“きみはそのスタイルが武器なんだから、胸を張れ!”と言ってくれたのが、忘れられません。いま、舞台上で“城田くんは姿勢がいい”と言っていただけるのは、幸村さんのおかげだと思っています」