コールセンターからの叩き上げ「これを日常生活でも応用すればいいんじゃないか、と思いました」

──そういったことに気づいたのは、いつ頃ですか?

「20代の頃でも、そんなにしっかりとわかっていなかったですね。大学に入ったときも知り合いが全然いなくて、どうすればいいんだろうと困っていたし。でも当時から、役割を与えられたら対応できるんだけど、役割もなく人の中にポンと放り投げられると、どうしていいのかわかんなくなっちゃうし、“それはどうしてなんだろう”と思っていて。それが、社会人になって仕事をするうちに、だんだんと“仕事だと私は話せる人なんだ”ということに気づきました」

 肩書きや役割といえば、ニクヨさんは慶応大学SFCを卒業した後、証券会社に就職し、銀行員や外資系保険会社に勤務していた経歴から、“外資系金融エリート”というキャッチコピーで紹介されることが多い。しかし、本人は「エリートじゃないんですよ」と話す。

「コールセンターからの叩き上げなんですよ。コールセンターってスクリプト(台本・脚本)があるんですけど、そこで台本を読むように接客することで、“こんなにスムーズに接客できるんだ”ということに気づいて。これを日常生活でも応用すればいいんじゃないか、と思いました。
 自分はいまどういう役割で相手と話していて、どういうことを言いたいのか、ということを“スプリクトがなければ頭の中で書けばいいじゃないか”という感じです」