芸人・小島よしお。2007年「そんなの関係ねぇ!」「おっぱっぴー」のギャグで大ブレイクをはたし、その2つのギャグは『ユーキャン新語・流行語大賞2007』の大賞候補60語に両方ノミネート。そして、「そんなの関係ねぇ!」がトップ10を受賞するという芸人としての金字塔を打ち立てた。その後も2016年のR-1グランプリで準優勝し、2020年に開設したYouTubeチャンネル『おっぱっぴー小学校』が大反響を呼ぶなどの活躍を続けている。
 そんな彼が出会い、生き方が変わることとなった変化「THE CHANGE」とはいったいなんだったのだろうか。

小島よしお 撮影/片岡壮太

【第1回/全5回】

「動くと見ちゃうんですよね」

 写真撮影時、準備のためにテーブルに置いた砂時計を見た小島さんは、ボソッとそうつぶやいた。その芸風から細かいことを気にしないでバーンと暴れまわるような人物像を想像しがちだが、本人は実のところすごく色々なことが気になってしまうようだ。

「あんまりそう見えないと思うんですけど、ビビリなんですよ。お化けとかも苦手ですし、痛いことも苦手、高所恐怖症だし、閉所恐怖症だし、暗所恐怖症だし、大体のものが苦手なんですよね」

 そんな「自称ビビリ」な小島さんは、『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)を出版。この本はWebで連載中の子どものお悩み相談を書籍化したものだが、子どもたちと同じ目線にたった回答が評判になり、SNSで関連ワードがトレンドに入るほどの反響を呼んだ。小島さんが子どもの悩みにどう向き合っているのか、話を聞いてみた。

「この連載は“寄り添い”を テーマにしているので、すぐに解決策を提案するっていう感じじゃなくて、まずは自分に置き換えてみたりとか、“あ、それわかるよ、その気持ち”みたいに考えることを意識していますね。

 自分の知らない話題に関する悩みも来たりします。たとえば自分の知らない職業に“どうなればなれますか?”って聞いてきたりとか。そういう場合は“学校の勉強をいっぱいやって、いろんな物事を知ったり、体育館にあるものとか、音楽室にあるものとか、そういうものをちゃんとよく見といたほうがいいよ”ってアドバイスしたりしています」

 子どもたちの自由な考えを受け止め、安易に答えを出すのではなく、色々な可能性を提示していく。考えただけでも大変そうなことではあるが、小島さんはこれらの相談にどうやって対応しているのだろうか。

「後輩の芸人や編集者さんにも付き合ってもらって、色々と意見交換をするため、取材の前に何度かディスカッションをしています。その中で、解決を手助けしてくれそうなキャラクターを作り出したりしていますね。

 たとえば“授業中にどうしても喋っちゃう”みたいな子の悩みの時は、“静(しず)カニ”っていう蟹のキャラクターを考えて、これを見れば心が落ち着くから、みたいなことを提案したりしました。

 とにかくあの手この手でどうやったら届くか考えますね。でも結局、寄り添っていくというか、同じような目線になることが重要なんでしょうね。

 子どもといっても悩みの本質、たとえば人間関係だったりとかは大人と一緒なんですよね。だから自分の悩みに変換できることばっかりだなっていうのが、やってみてわかりました」