2023年下半期、連続テレビ小説ブギウギ』に、ピアニスト・股野義夫として出演し、お茶の間に感動を届けた俳優・森永悠希。96年に生まれた彼のキャリアはかなり長く、子役時代を含めて20年以上演技の世界で活躍している。まだまだ今後が期待される森永悠希の「THE CHANGE」とは――。【第1回/全3回】

森永悠希 撮影/三浦龍司

「こんにちは、よろしくお願いします」と、柔和な雰囲気であいさつをした森永悠希さん(27)。取材場所に登場した彼は、趣里(33)主演のNHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』で演じた股野義夫の温厚そうなオーラそのままだ。

 森永さんが演じた股野は、趣里が演じるヒロイン・福来スズ子が所属していた梅丸少女歌劇団のピアニスト。ドラマ内では、歌劇団の団員たちがラインダンスの稽古をする場面など、さまざまなシーンで森永さんがピアノを実際に演奏していた。その見事な演奏がプロによる吹替ではなく、自身で演奏していたことに驚く視聴者も多かったが――。

「めちゃくちゃ緊張しましたね。自分で好きにピアノを弾くのとはぜんぜん違いました。

 鍵盤を触っているのに、その鍵盤がはんぺんとかこんにゃくを触っている感覚になってしまったんですよ。見えているものは鍵盤なのに、鍵盤じゃないものを触っているような感じになってしまって、指も思う通りに動かないし、“やばい”と思いました」