ミュージシャン、俳優としての活躍は言うにおよばず、バラエティ番組やSNSでの言動も瞬く間にニュースになる。世間が注目してやまない“表現者”GACKT。役者としては2007年にNHK大河ドラマ「風林火山」で上杉謙信を演じ、一気にその才能を開花させた。そんなGACKTさんのTHE CHANGEを聞く。【第1回/全4回】

GACKT 撮影/冨田望

 現在、日本ではなくマレーシアを拠点としているGACKTさん。しかし、このところ日本での活動を頻繁に目にする。

2019年に大ヒットを記録した主演映画『翔んで埼玉』の続編が公開中だからに他ならないが、公開された続編を前に、GACKTさんは幾度も「くだらない作品」と発言してきた。もちろん、愛をもっての発言には違いない。だが、その「くだらない作品」をこのご時世に放つ意義を、GACKTさん自身はどう考えているのだろう。

 ゆっくりと余裕たっぷりに腰かけたGACKTさんだったが、質問をぶつけると「うわ、重い質問ですね」と苦笑いしてから、答えはじめた。

「意義ですか、意義はあると思います。今、この時代に必要なことって、寛容さだったり、くだらないことを受け入れる気持ちの大きさじゃないですか? くだらないことや、いや、“くだらないもの”という言葉そのものを表現できる、“くだらないな”と言葉を発することのできる寛容性というか。それって個人の器の問題にもなるんですけど。やっぱり社会も関係してきますよ」