2017年のデビュー以来、坂東龍汰はまったく印象の違う役を演じてきた。ドラマ『真犯人フラグ』の配達員、『ユニコーンに乗って』のプログラマー、『きのう何食べた? season2』のケンジの同僚の美容師、W主演映画『フタリノセカイ』でのトランスジェンダー…多彩な輝きを見せる坂東さんにとってのTHE CHANGEとは。【第4回/全4回】 

坂東龍汰 撮影/冨田望

 2017年に俳優としてデビューした坂東さん。高校卒業後は、俳優になると心に決めていたが、いったん旅館で住み込みのアルバイトをしてお金を貯めてから、上京した。しかしすんなり事務所に入れたわけではない。
 
「高い授業料を払うだけ、とかそういうこともあるし、あぶないことも多いので。僕もダマされそうになったことありますし。
 半年間、いろんな事務所を受けてはダメで、スカウトされたくて原宿の竹下通りでずっと待ってたり、通りを走り回ったりしてました。そのうち、学んだ学校は違うんですけど、同じシュタイナー教育を受けてて、会ったことのあった村上虹郎に“こういう事務所あるよ”って、今の事務所のことを教えてもらったんです」
 
――村上さんがきっかけだというのは、聞いたことがあります。
 
「虹郎もいろんな記事で見たらしくて、“お前、俺の名前出しすぎだろ”ってめっちゃ怒られましたけどね(笑)。しかも虹郎が怒っていたのは、ほかの役者さんたちの名前を挙げるときには“さん付け”とか“くん付け”なのに、“俺も先輩なのに、俺は虹郎とか、村上虹郎とか。何もついてない”って」
 
――仲良しなんですね。今でもずっとですか?
 
「今でも仲いいですよ。それでつい言っちゃうんですね。だけど、虹郎がこういうとこがあるって教えてくれたから、今がある。それこそCHANGEのきっかけですよね。あとは今のマネージャーさんとの出会いが、現在につながるきっかけですね」