直感を大切に演じていくようになった

 桐谷さんは、現在放送・配信中のWOWOWドラマ「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」で、出版社勤務の副編集長・橋本を演じている。橋本は「女子高生両親殺害事件」をモチーフとした小説の企画を持ち込んだ新人作家と事件の真相を追っていく……。さらに、過去にはその事件の主犯格とされる男の自叙伝の編集も手がけた過去を持ち、どこか内面や本心が見えにくいキャラクター。この役とどう向き合ったのかを明かしてくれた。

「橋本は、見る人によって、一見普通の人に見えたり、どこかミステリアスで何を考えているのかわからない怖い人に見えたりする。そういう人物にしたくて、彼の過去や経験を染み込ませていく中で、通常であれば痩せていてシュッとした見た目の方がハマったりするかもなんですが、橋本に関しては体が大きくてムチッとした体型のほうが不気味さが出るというか、内面とのアンバランスさが奇妙に見えていいかもしれないというその直感を信じて、体重を増やして撮影に挑みました」

「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」より

 あらゆる役で芝居のスキルを培ってきたからこそ、“直感”を大事にすることができたのではないだろうか。

「これまで経験したことが無意識に表現方法として出てしまうことはあると思います。台本を読んで、“この役はこうだ”と直感的に閃く時もあれば、衣裳合わせで衣裳を着た瞬間に“これだ!”とわかることもあって。
 ある作品の時なんて、“この役はトカゲっぽいな”と、もはや人間ではないイメージが浮かぶこともある(笑)。なので、作品によってアプローチの仕方は変わるのですが、それは経験や想像、出会った人や景色、昨日何気なく見たニュース、生まれる前から持ってるもの、様々なことが影響しているんでしょうね。そういうのも含めて、自分の直感や感覚を大事に演じていきたいなと思っています」

 役との向き合い方やアプローチの仕方を明かしてくれた桐谷さん。真っ直ぐな眼差しと力強い言葉から、俳優という仕事に対する真摯な姿勢と自信が感じられた。

インタビュー:奥村百恵

桐谷健太(きりたに・けんた)
1980年生まれ、大阪府出身。02年俳優デビュー。07年、『GROW愚郎』で映画初主演。20年、ドラマ「ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~」で民放ドラマ初主演。近年の出演作に、映画『ラーゲリより愛を込めて』(22年)、『アナログ』(23年)、ドラマ「インフォーマ」(23年)、「院内警察」(24年)などがある。

■作品情報
桐谷健太最新主演作
「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」
3月3日(日)午後10時より放送・配信スタート(全5話)
【WOWOWプライム】【WOWOW 4K】にて放送(第1話無料放送)、【WOWOWオンデマンド】にて配信

原作:真梨幸子「坂の上の赤い屋根」(徳間文庫)
監督:村上正典
出演:桐谷健太 倉科カナ 橋本良亮 蓮佛美沙子 斉藤由貴 他
製作著作:WOWOW
https://www.wowow.co.jp/drama/original/akaiyane/