初めてのテレビ出演も

デビューした72年には、テレビ番組のレギュラーも獲得していた。順風満帆に見える音楽活動だが、本人にとっては苦痛だったという。

「『ステージ101』(1970年代から放送されていたNHKの音楽番組)が初めてのテレビ出演でしたが、テレビに出ること自体がどういうことなのかあまりわかっていませんでした。ぼんやりと、スタジオに色々なセットが組んであって、カメラで撮っている人がいた記憶があります。すごく煌びやかで夢みたいに美しい場所でした。そして歌って踊る番組だったのですが、私は踊れなかった(笑)。

 出演者は、今でいう陽キャみたいな人たちがいっぱいいたので、テレビに出ることよりも自分がそういう場にいることのほうが辛かったです。種類の違う人間が1人だけそこにいるみたいで、ストレスから休憩時間にトイレに閉じこもったりしました」