２００９年にデビューして以来、確かな演技力でキャリアを重ねてきた俳優・中川大志さん。映画、ドラマから舞台まで、そして現代物から時代劇まで、数々の話題作に出演し、幅広い役柄で魅力を放つ中川さんの「ＴＨＥ　ＣＨＡＮＧＥ」とは――。【第３回／全４回】

中川大志　撮影／川しまゆうこ　スタリイスト：徳永貴士　ヘアメイク：佐鳥麻子

　５月１７日から公開の映画『碁盤斬り』に出演する中川さん。この作品は、身に覚えのない罪を着せられて故郷の彦根藩を追われ、娘とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らす浪人・柳田格之進が主人公の物語。草なぎ剛さんが格之進を演じ、中川さんは、格之進の碁仲間・源兵衛が主人を務める両替商の手代役だ。草なぎさんとは一緒のシーンが多かったという。

「草なぎさんと共演するのは初めてでした。バラエティ番組などで拝見してきた草なぎさんの印象もあれば、ドラマや映画での俳優としての草なぎさんの印象もあって、じゃあ撮影現場ではどうなんだろう……というのが、まったく想像できなかったんです」

　草なぎさんは、中川さんが子どものときからテレビや映画で見てきた存在だ。実際、共演してみてどんなことを感じたのだろう。

「草なぎさんの演じる人物が一本筋の通った堅い男なので、実際はどんな感じの方なのかなと思っていたら、ものすごく柔らかい方でしたね。ナチュラルで優しくて、現場を明るく照らしてくださる存在でした」

　しかし、「よーい、スタート」の声で雰囲気が一変。さっきまでまとっていた柔らかい空気が瞬時に消え、そこには誇り高い武士“柳田格之進”がいたという。