秋からは初の「NHK朝ドラ」出演

 いただいた仕事はできるだけこなしたい――大物俳優ながら、そのフットワークは非常に軽い。10月からは橋本環奈さんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『おにぎり』にも出演する。

「ヒロインのおじいちゃん役をやらせていただきます。芸歴50年で初めての朝ドラ出演です。年相応の役なので楽しみですね。抵抗ですか? 全然ないですよ。もうそんな年ですから(笑)」

 松平さんは、この作品で、好きなことだけやって暮らしたい大ホラ吹きの祖父・永吉役を演じる。ここでも新たな一面を見ることができそうだ。

松平健  撮影/有坂政晴

「これからも新しいことをやってみたいという意欲はありますが、野望はもうありませんね(笑)。ただ、健康でこのまま、できるだけ長くこの仕事をやっていけたら、と思っています。ひとまず80歳くらいまではやりたいですね」

 70を超えても、第一線で活躍し続ける松平さん。プロフェッショナルとして大事にしていることはなんだろうか。

「いただいた仕事をちゃんとこなすためには、健康な体が必要不可欠です。ですから、仕事に対応するための体を維持する努力はしています。そして、気持ちの面で大事なのは向上心ですね。現状に満足せず、日々取り組んでいます」

 健康維持の秘訣は、毎朝のウォーキングだという。

「自宅を起点にいくつかお気に入りのコースがあるんです。地方に行ったときもホテルのまわりを歩いたりと、どこでもできるのがウォーキングのいいところですね。台詞や歌詞を覚えたりしながら、だいたい1時間くらい歩くのが日課です。あとは、60歳くらいからお酒の量を気にするようになりましたし、夜の9時以降はあまり食べないようにしています」

 7月からは、これまでの集大成となる明治座『芸能生活50周年記念公演』に取り組む松平健さん。その瞳は力強く輝き、その先までしっかりと見つめている――。

松平健(まつだいら・けん)
1953年11月28日生まれ。1975年にテレビドラマ『座頭市物語』(フジテレビ系)でデビュー。1978年から『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)で、徳川吉宗役を演じ、時代劇俳優としての地位を確立。以降、多数の映画やドラマで活躍し、代表作にNHK大河ドラマ『草燃える』『義経』『鎌倉殿の13人』、『リーガルハイ』(フジテレビ系)、『PTAグランパ』(NHK BSプレミアム)、『下剋上球児』(TBS系)などがある。歌手としても2004年『マツケンサンバII』が大ヒット。現在も老若男女に愛される楽曲となっている。

【公演情報】
明治座公演『松平健 芸能生活50周年記念公演』
2024年7月6日(土)~31日(水)
俳優・歌手として大きな存在感を放つ松平健がついにデビュー50周年!
芝居に歌に盛りだくさんな真夏のお祭り公演!
今年の夏は、上様と一緒に、明治座で踊り明かそう!
第一部「暴れん坊将軍」(C)東映
第二部「マツケン大感謝祭~歌って踊って~オーレ!」

出演:
松平健
市川由紀乃、辰巳ゆうと/伊藤純奈、荒木健太郎
丹羽貞仁、真砂京之介、真島なおみ/白石まるみ、笠原章

★チケット情報などは以下をチェック!
明治座『松平健 芸能生活50周年記念公演』ページ
https://www.meijiza.co.jp/info/2024/2024_07/