吉高由里子主演のNHK大河ドラマ光る君へ』で、女流歌人の赤染衛門として深い印象を残している元宝塚トップスターの凰稀かなめ。2012年に『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』にて宙組トップスターお披露目公演を行い、2015年2月の退団まで支持を集めた。現在は前述の大河ドラマをはじめ、公開中の映画『お終活 再春!人生ラプソディ』などの映像でも活躍している凰稀さんが、THE CHANGEを語る。【第1回/全4回】

凰稀かなめ 撮影/冨田望、スタイリスト/杏吏

「大河ドラマ、面白いですよねぇ!」

 現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』がとても面白いと伝えると、凰稀さんからもしみじみと「面白いですよねぇ」と反応が返ってきた。『光る君へ』は平安中期を舞台にした大河ドラマ。世界最古の女性文学「源氏物語」を生み出した紫式部(まひろ・吉高由里子)の生涯を、藤原道長(柄本佑)との恋を絡めながら、脚本家の大石静が描く。公開中の映画『お終活 再春!人生ラプソディ』でシャンソンの先生を演じている凰稀さんだが、『光る君へ』では和歌の指南役・赤染衛門を演じて好評を得ている。

――大河ドラマに出演したことで、役者として何か変化はありますか?

「なんでしょう。映像作品に出るようになってはじめのころは、舞台出身、宝塚の人間ということで、“抑えて、抑えて”とよく言われていたんです。大芝居をするだろうと見られていたんですよ。それでどんどん抑えつけていく感じがしばらく続いていました。でも自分としては“そうか?”と疑問に思う部分があったんです。だって、お芝居は気持ちの問題だし、“そんな大芝居になってるか?”って」

――先入観もあるかもしれませんね。

「最近は映像に舞台出身の人も多く出ているし、歌舞伎の方もいらっしゃいます。そういう方たちも映像でお芝居しているんだし、無理に抑えなくてもいいんじゃないかと思い始めていたんです。変に抑えつけているほうが不自然になる。疑問だったのが、次第に“つらいな”になっていって、そのうち“もういいか!”になった。で、いまに至ってます(笑)」