高畑淳子さんとの撮影「涙が出そうに」

――無にするというのは、キャラクターづくりにも影響したのでしょうか。

「そこまで大きく変えることはなかったのですが、相手の方から受け取るものというのはやっぱり違うというか重みがあるんですよね。高畑さんとの撮影が多かったんですけど、言葉のひとつひとつにすごく響くものがあって、涙が出そうになったりしました。気持ちがダイレクトに伝わって来て。

 そこをちゃんと受け止めて芝居をしたいなとすごく思いました。脚本の段階で“きっとこういうことだろうな”と思っていたものから、たとえばキャラクターの過去の出来事についても、実際にあった出来事のように感じられる瞬間が何度もありました」

ーー本作は続編です。英恵先生は今作から加わったキャラクターですが、そういった点での難しさはありましたか?

「そもそも私は映像作品の経験があまりなくて、慣れていないのですが、スタッフさんもキャストの皆さんもすごく温かい方で、緊張しないように、みなさん話しかけてくださったんです。確かに2作目に入っていくということで不安もありましたが、最初に現場に行ったときから、そうした不安はすぐになくなって、とても楽しく撮影させていただきました」

凰稀かなめ 撮影/冨田望