「ヒロインはイクチュンさんなんじゃないかな」

――その後、奈緒さん自身は一眼レフの購入は。

「しました。生田さんにも“買いました”と報告できました。ロケのときは、1日2日といった本当に短い期間の撮影とは思えないくらいの落ち着く空気感を、座長として作ってくださってましたね。それから、W主演のイクチュンさんも、この作品のヒロインはイクチュンさんなんじゃないかなというくらい、可愛らしくてチャーミングな方でした」

 ジヨンを演じるヤン・イクチュンは、日本でも『息もできない』『かぞくのくに』『あゝ、荒野』などで知られる韓国出身の俳優。本作では極限状態にある男を大迫力の演技で見せる。

――可愛らしくてチャーミングですか!?

「はい。みんながイクチュンさんのことを“かわいい、かわいい”と言ってましたし、私もそう感じました。それに生田さんもそういうところがあるんです。ふたりともすごく空気感が似ていて、そのなかで和気あいあいと撮影させてもらいました」

 さて、福岡出身の奈緒さんは、高校1年のときにスカウトされ、テレビ番組への出演やドラマに出演するなど、地元での活動をスタートさせた。また、当時の所属事務所スタッフと二足のわらじを履いていた経験もある。そこから2015年、二十歳のときに俳優1本で行くと決めて上京した。

 裏方として働いた経験が関係しているからか、奈緒さんはかねてより、自分の出演している作品はもとより、時には自分が出演していない作品であっても、「撮影現場に足を運んで見学するのが好き」と語っており、時にはエキストラとして参加することもあるという。

――本作でもご自身の撮影日以外に撮影の見学に行かれたのですか?

「今回もすごく見に行きたかったんですけど、とても忙しい時期で、撮影日程も私は現場が2日間くらいしかなかったんです。だから本編を観て、あの独特の空気感を知った感じなんです。ただ1日、山小屋のシーンを見られる機会がありまして」