伊藤家で良い時間があると自分の家族のことを思い出す

 演じるのは次女・里香役。

「里香はseason1で、一度離婚を経験して、その後から徐々に様子がおかしくなって、ちょっとやさぐれているんですよね(笑)。season2では新しい出会いがあったりもしたんですけど、なかなか上手くいかず……。ちょっとわけありの男の人に捕まりがちな女の子です。一見、そつなく色々できそうな雰囲気ではあるんですけど、結構気にしたり、色んなところをグルグル巡り巡って過食に走ったり、お酒に走ったり(笑)。そういう癖のあるコですよね。私のアイデンティティと伊藤家ってどこか重なる感じがするんです。等身大……というと里香と私が同じキャラみたいに思われるかもしれませんが、それとはまた違うんですけどね」

 プライベートでは佐久間さんも、妹と弟がいる3人きょうだいだ。

「劇中で『伊藤家リモート会議』というのがあるんですけど、私も会議ではないですが、きょうだいとテレビ電話をすることはよくあります。伊藤家で良い時間があると自分の家族のことをちょっと思い出すんです。この作品に携わったことで、そういうことが増えました」

 里香を演じるうえで心掛けていたことは──。

「現場に身を任せて、どこにも力を入れずにフラットな状態で現場に挑むということは意識していました。どんなことを演出で求められても応えられるように、自分の中でも役柄に対して固めずに現場に行くようにはしていましたね」

──監督の要求には応える……そのためには演技プランの引き出しがたくさん必要だったのでは?

「監督がその引き出しを開けて下さったので、私的には、もちろん自分が思ったことは提案することもありましたけど、基本的には監督が投げてきた球を全力で受け止めた……って感じでした」