身につけてきた表現すべてを活かして思いを発信したい
公開オーディション番組に参加してからは、思いがけない変化も感じているという。どんどんと広がり深まり続ける“仲宗根梨乃の世界”は、この先どこを目指すのか。そう問いかけると、「物書きに興味があるんです。どうやってライターになったんですか?」と、逆インタビューを受けることに。まだまだ、彼女は立ち止まらないと確信した。
「最近、ワークショップを開催すると、“ダンスはあまり得意じゃないけど、梨乃先生に会いたくて参加しました”と言ってくださる人が増えました。スター候補生たちと接する姿を見て、何かを感じていただけたのだとしたら嬉しいですし、ダンス以外での交流の場も増やしていきたいなと思わせていただいて、恐縮です!
自分はエンタテインメントにずっと救われてきたという気持ちが強いので、これまでに身につけてきた表現すべてを活かし、いろんな思いや願いを発信したいですね。たとえば、大好きなマイケル・ジャクソンは、彼が参加したチャリティーソング『ウィ・アー・ザ・ワールド』や、名の通り、地球を治していこうというメッセージの『ヒール・ザ・ワールド』を通して、世界で起こっている様々な問題についてメッセージを発信したり、チャリティー活動を行なっていました。
マイケルの教えの影響だと思いますが、自分にも“みんなで手を取り合って”とか“ワールド・ピース”という精神が宿っているんですよ。いま、世界中で紛争や戦争が絶えないのはなんでだろうってすごく思うし、そのためにもいろんなことをしっかり知らなきゃいけないなって思って、社会課題についても勉強しているところです。
個人的に『進撃の巨人』とスタジオジブリが大好きで、どうやったらあのような作品が創れるのだろうと、アニメの素晴らしさもそうですが、あのストーリーやメッセージ性はどうやって生まれてくるのだろうか、と勉強させてもらっています。
自分が好きだと思うところに精一杯近づいて、様々な表現を自分に取り込みたいんです。きっと、欲張りなんですよね。自分が携わる作品一つ一つが、大切なメッセージを伝えるための、ある意味で一つの手段なんだと思うんです。そうしたことを自覚しながら、自分が救われてきた分、新しいエンタテインメントで恩返しできたらいいですね」
(了)