「誰にも見られずに終わるだろうな」と思っていた

「イヤですよ、と。若さゆえ、“日本を背負って立つ男が、こんなくだらない番組に出るものか”みたいに思って(笑)いたんですが、すごく熱心に電話してくださって、"絶対に悪いようにはならないから。クリエイター志望の子で損をした子はいないから。すぐにテラスハウスから出ていってくれてもいいから”と。そんなふうに言ってくださるのなら、と、出ることを決めました」

 当時の入居メンバーは、帽子デザイナーの大畑ありささん、モデルで大工の太田光るさん、モデルで女優志望の斎藤夏美さん、消防士志望のアルマン・ビタラフさん、タレントの田森美咲さん。現役藝大生であり、「卒業後はハーバード大学に行き、建築家になりたい」と話し、メンバーから彼女の有無を聞かれ「2年ちょっと経つ23歳の彼女がいる」と素直に答えた半田さんの存在が、たしかに、テラスハウスの空気に変化をもたらしたことは視聴者にもすぐに伝わった。

「当時の彼女は番組を観たことがなくて、“やってみたらいいんじゃない?”という軽いノリでしたが、あとになって調べて、恋愛模様もあることを知りました。“なんか、やっぱり……”という感じになったんですけど、“いや、もう明日から入居だから、やめられないよ”と。

 とはいえ、先行配信元だったネットフリックスは当時、“ABEMAよりもマイナー”くらいのイメージだったんですよね。ABEMA立ち上げのときも世間は“絶対に赤字になる”なんて否定的に言われていた時期でした。それよりもマイナー視されていたNetflixだから、僕自身も“誰にも見られずに終わるだろうな”と思っていたんです。でも、ぜんぜんそんなことなかった」