世界中から半田さんにコメントが

 Netflixの日本展開と同時にスタートしたテラスハウスは、見事に日本展開の成功を後押しした。半田さんは、反響の大きさをインスタグラムのコメント数で実感したという。

「当時はインスタグラム黎明期で、フォロワー数日本一だった渡辺直美さんでも何十万人規模でした。徐々にユーザーが増えていった時期で、僕がテラハを卒業してから多言語対応されて、アラビア文字とか、海外からのコメントが急増したんです」

ーー海外からはどんなコメントが届いていましたか?

「とてもありがたいのですが、翻訳するのもたいへんだし、1日100通とか来るので読んでいませんでした」

半田悠人 撮影/三浦龍司

 それは、前出の通り“テラスハウスの空気を変えた”ことに対する反響だったのかもしれないが、半田さん自身、意識的に行動したようだった。

「ちょっと生々しい話ですが、"誰が出ても最初は必ず批判されて、最後はいい感じで出ていく”という規定ルートがありました。僕は、その“お決まり”を壊さないと将来クリエイターとしてやっていけないだろうなと始めに感じて、スイッチをオンにしなきゃいけないな、と思いました」

 ときには、同世代のディレクターたちと「戦ったりもした」という。

「“それは絶対おかしい”と言ったり。僕が風紀委員みたいになっちゃって」

ーー半田さんが風紀委員(笑)! そんな舞台裏があったとは。スタッフさんも、テラハで生活するれっきとした一員だったんですね。

「そうですね。そんな感じだったのに、放送では『Mr.パーフェクト』と言われてしまって。誰が言い始めたのかは覚えていませんが、スタジオの方々が番組を盛り上げたかったのかなと思います」

 放送では映らないそれぞれの素顔が当然あり、ごく当たり前にその現実を教えてくれる半田さんの魅力はやはり、自然体なのだと再確認したのだった。

はんだ・ゆうと
1988年生まれ、神奈川県出身。建築家。総合芸術制作会社「デリシャスカンパニー」代表。2016年に『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』(フジテレビ系)に出演。2020年2月にDream Amiさんと結婚し話題になった。