日本の恋愛リアリティ番組の先駆けといえる『テラスハウス』(フジテレビ系)。複数人の男女がシェアハウスで同居し、さまざまな人間模様を展開する様子を映し出し、2012年から2020年まで放送された。そのセカンドシーズンとして位置づけられている『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』に出演し、卒業時にはキャストのYOUさんが涙するなど視聴者のみならずスタジオのタレントにも支持され、いまも番組ファンから絶大な人気を誇るのは、建築家の半田悠人さんだ。テラハが半田さんにもたらしたTHE CHANGEとは、なんだったのか。【第4回/全5回】

半田悠人 撮影/三浦龍司

 早稲田大学から東京藝術大学へ進学し、そのさなかに2015年~2016年放送『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』(フジテレビ系)に出演、“パーフェクト”な存在感でメンバーから一目置かれ、視聴者から人気を博した、建築家の半田悠人さん。

 卒業時には、視聴者のみならずスタジオで見守るタレントたちも“半さんロス”におちいったほどだった。当時から志していた建築家となり、妻は歌手のDream Amiさんで……という華々しすぎるスペックに、嫉妬する気すら起きない。一体、どんな幼少期をすごせば、人を惹きつける存在になれるのか。

「父親は、僕が小さいころは会う機会がないほど忙しくしていました。たまに土曜日に家で寝ている姿を見かけると、“あ、パパいるんだ”みたいに、ちょっと気まずい感じでしたね。僕に同じ仕事をさせたい、なんてまったくなく、自分の仕事に邁進している人でした。

 だから僕は、父がどんな仕事をしているのか知らなかったし、なにかを教わったこともないです。しいて言うなら、“好きなことをやりなさい”と言われたくらいです。僕の進路について“それはどうなんだ”なんていう否定的なことを言われたこともないです」

 縛りもせず、放任するわけではなく、子どもを信頼し、意志を尊重する父親像が思い浮かぶ。

「学生時代に金髪にしていた時期があって、帰宅して顔を合わせているのにしばらく気づかないんですよ。時間が経ってから“おお!? 金髪だ!”と、やっと気づく、みたいな人でした」