海辺で焼き芋をやろうとしていたら警察が
ーーおおらかな方だったんですね。
「おおらかですね。怒られたこともないです」
ーー怒られて育つより、怒られないほうがいいと思いますか?
「僕はそうですね。その点に感謝していましたから。父親に厳しく怒られている友だちを見て、“なんでそんなに怒られるんだろう。しかも、そんなことで?”と思っていました。たとえば、アスリートの父親を持つ友だちがいて、父親がやっているのと同じスポーツの英才教育をとても厳しく受けていました。
彼はいま、プレイヤーにならずにスクールを経営していますが、当時は見ていてかわいそうだなと思っていました。“このスポーツ以外、やるな”と言われて毎日練習ばかりしている彼を見て、子ども心に"うちはなにも言われなくてラッキーだな”なんて思っていました」
ーーその加減は、子を持つ親なら誰もが悩むと思います。おおらかに育てたいけど、やんちゃにされすぎても困りますしね。
「たしかに、僕も小さいころ、やってしまったことがありましたね。“海なら火事にならない”と思って、浜辺に落ち葉をめちゃくちゃ集めて焼き芋をしようと火をつけたら、警察が来たことがありました」
ーー火の手が上がるのを見て、誰かが通報したんですね……!
「警察に怒られて終わりでした。親にも学校にも連絡されず。そこで学ぶんですよね。海で焼き芋をしてはいけない、と」