「2時間ドラマの帝王」として、その名を轟かせる船越英一郎。40年を超える芸能生活で数多くのドラマに出演し、バラエティでも軽妙なトークを披露。CMでその姿を目にした人もいるだろう。テレビとともに歩んできた男の「THE CHANGE」とはいったいなんだったのかーー?

撮影/三浦龍司

 6月3日からスタートした船越さんの主演ドラマ『テイオーの長い休日』(フジテレビ)。この作品で船越さんは自身とダブル「2時間ドラマの帝王」と呼ばれる俳優・熱護大五郎(あつもり・だいごろう)を演じる。

 制作発表にあたって、船越さんは「このドラマのいちばんのテーマは『再生』です。どうしても視線が下向きになりがちな3年間が過ぎて、社会全体が再生の時を迎えているような気もします。そうした時に、これから未来に向かっていくみなさんの背中を優しく押すような、そんなあたたかいコメディードラマがここに生まれたと思っています」とコメントしている。

 テレビの役割もCHANGEしつつあるかように昨今だが、船越さんにはひとつの信念があるという。

「テレビが今、SNSに押されてなかなか元気がなくなってきている。2時間ドラマがテレビの中から減っていってしまったなんていうのも、どこかでテレビは若い人たちに向けて、っていうメディアになろうとしてるんですよね。

 どの層に一番響くかみたいなことが、テレビの基本になっているような気がするんですよ。でも、そうじゃない。一番テレビを見たい。テレビが私にはいちばん楽しいっていう層は、だいぶ年を重ねてくる。その人たちをはじくような、そういうメディアにはなってほしくないですね。

 やっぱり、テレビは見たいわけですよ。ある程度の年齢のいった方たちが、見るものがない、と言っている声は、常に聞きます。

 街歩いてるだけで、本当に今は見るものがないのよテレビに、って言われて、また2時間ドラマも見たいねって言われるんです。

 僕なんかが言っても、ということかもしれませんが、誰かが小さくでも、叫び続けていかなければいけないなと思うので」