「みなさんにかぶせていただいた冠に殉じたい」「いまこそテレビも、もう1回再生しなきゃいけないんじゃないか」

 船越さんの「2時間ドラマの帝王」という称号には、責任も伴っているということだ。

「その冠を、僕は自分で手を上げてかぶったんじゃなくて、皆さんにかぶせていただいたんで、やっぱりそれには殉じたいなと思いますね。

 現在のテレビは過渡期です。この『テイオーの長い休日』というドラマは再生のドラマですけど、いまこそテレビも、もう1回再生しなきゃいけないんじゃないかな、と。

 そのために何が必要って、原点回帰なんですよね。

 このドラマも、変わらないもの、変わるものっていうのがテーマ。変わらないものって原点なんですよ。そこに立ち戻りながら再起を図っていく、というお話ですから。

 テレビにも原点回帰の時が来てるんじゃないか。もう一度、原点は何なのって言ったら、コミュニケーションツールというものが世の中に必要だろう、と生まれたメディアだと思うので、ここにもう1回立ち帰っていただきたいと思います。

 そうやって、使ってくださる場所が豊かに耕されていてほしい。そう願うんです」 

■プロフィール 
ふなこし・えいいちろう
1960年7月21日、神奈川県生まれ。1982年『父の恋人』(TBS)でデビュー。名優・船越英二を父に、長谷川一夫を大叔父に持つ。各局の2時間ドラマ主演を務めるなど出演作の多さから「2時間ドラマの帝王」の異名を持つ。『ぐるぐるナインティナイン』内の「ゴチになります!」などバラエティ番組への出演も多数。フジテレビ系連ドラに初主演となる土ドラ『テイオーの長い休日』が2023年6月3日よりスタート。

『テイオーの長い休日』
リアル2時間ドラマの帝王・船越英一郎が、1年以上仕事がない2時間ドラマの帝王・熱護大五郎(あつもりだいごろう)役に挑戦。仕事がなくなった“2時間ドラマの帝王”が、ある事情を抱えた“女性マネージャー”と共に人生のリベンジに奔走するヒューマンコメディ。年齢も性別も違う凸凹コンビがぶつかりあいながら、同じように苦境に立たされた人間たちも巻き込んで、世間という荒波に再び乗り出していく。制作・東海テレビ/ホリプロ