変化し続けるその先に、いま見据えているものとは──?
やりたいことと現実とのはざまで苦しんだ20代。俳優としてようやくスタートラインに立ったと感じ、母親となった30代。50代へのプレゼンだと思って、さまざまな役に挑戦し続けた40代。
いま、木村多江が思うことは?
「まだまだずっと焦りっぱなしです(笑)。プレゼンの結果もこれから分かってくるし、この先どうなるんだろうか? と」
とはいえ、50代に入ってからも途切れることなく、ドラマや映画に出演し続けている。この夏は、オシドラサタデー『青島くんはいじわる』(テレビ朝日系)で26歳の息子を持つ母親を演じ、『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』(NHK)では、小学6年生の息子の母親役。10月からは5年ぶりに舞台に立つ。
「これからは容姿が変化していきますよね。そうすると“劣化した”とか言われちゃう。わたしはこの“劣化”という言葉がよろしくないと思っているんですけど、どうしたってシワやシミ、ゆるみが出てくる年代です。それを、魅力にしていけたらいいなぁと思っています。だって、年齢を重ねたらそのぶん、知識や経験が増えていくわけですから。俳優という仕事は、本人の生き方がダダ漏れになってしまうけれど、ダダ漏れしてもみなさんから“良い!”と言ってもらえるように、日々ときめいてやっていきたいと思っています」
木村多江に訪れたたくさんのCHANGEを聞き、ふと気づくと、取材が始まったときは降っていた雨が上がっていた。
木村多江(きむら・たえ)
1971年3月16日生まれ。東京都出身。学生時代から舞台に立ち、’96年にドラマデビュー。’08年公開の主演映画『ぐるりのこと。』で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞。主な出演作はNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、『あなたの番です』(日本テレビ)、『忍びの家 House of Ninjas』(Netflix)など。NHK Eテレ『木村多江の、いまさらですが…』ではMC、NHK BS『美の壺』ナレーションを担当。
●作品情報
特集ドラマ『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』
https://www.nhk.jp/g/blog/o1ko684l3c/
8月15日放送予定
原作:椰月美智子「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」
脚本:櫻井剛
音楽:小山絵里奈
出演:中須翔真、岸部一徳、木村多江、森永悠希 ほか