メイクで人生が変わった体験は?

 美紅を演じる上で大切にしているポイントといったら──。

「私自身はわりと自分がどういう気持ちで行動するか……行動を起こす理由を考えてしまうところがあるんです。でも、美紅は自分の本当の気持ちに気付いていなかったりとか、自己肯定感の低さから、やっぱり相手に何かしてしまったり……。相手にどう思って欲しいからこうするとか、ちょっと保守的な動き方をするので、相手を中心に行動するということを常に考えていましたね。美紅がそこからどう変化していくか、というところは監督と現場で話し合いながら演じています」

 美紅はメイクで人生が変わるが、高橋さん自身もメイクで人生が変わった体験はあるのだろうか?

「私が初めてちゃんとメイクをしたのは小学5年生ぐらいの時でした。当時はダンスを習っていて、その発表会に向けての練習をしていた時でした。全然、やり方がわからなかったので、アイラインやアイシャドウの引き方とか、いっぱいネットで調べました。母にも相談したんですが、アイライナーが目の中に入って目が真っ黒になって、どうしようって焦ったこともありました(笑)。そんな風にたくさん失敗しながらもやっていって、どんどん自分が変わっていく姿は不思議な感じでした。でも、なりたい自分になることができるのはすごく楽しくて、こんな身近にある化粧品で自分が変わることが出来るんだってとてもワクワクした思い出があります。だから、美紅がメイクして変わる瞬間は、当時の、このワクワクを思い出しながら演じましたね」