1990年代に“バラドル”として大活躍し、いまなおテレビやラジオなどで精力的に活動する森口博子さん。歌手としての表現力にも定評があり、昨年に引き続き『ANISON COVERS 2』をリリースするなど、アニソン歌手としても国内外で多くのファンを獲得している。

森口博子 撮影/有坂政晴

 リストラ勧告を受けた若かりしころから、大復活を遂げ、さらに唯一無二の存在へと成長した森口さん。充実したキャリアを重ねるなかで、どのような気付きがあったのだろうか。近年の「森口博子さんのTHE CHANGE」について伺った。【第5回/全5回】

“私にはもう居場所がないんだ”と悲観した30代を経て

「女性は30代に2回、33歳と37歳で厄年が訪れます。30代って、新人みたいに甘やかされるわけでもないし、かといってベテランや大御所でもない。中ぶらりんな感じなんですよね。私は厄年のころ、体調や人間関係、仕事など、いろいろなことがうまく回らなくなり、八方ふさがりだと感じていました。
 “私にはもう居場所がないんだ”と悲観したこともありますが、落ち込んでばかりいてもいられません。そこで、思い切って生き方を見直してみようと思ったんです。まずは食生活を改め、軽い運動をして睡眠にも気を配るなど、生活パターンを健康的なものに切り替えました。体調が良くなるにつれ、気分も少しずつ上向きになりました。また、お仕事ができることのありがたさも増し、より感謝する気持ちが芽生えたことも良い気付きだったと思います。
 そうやって自分が前向きになると、まるで魔法がかかったみたいに、仕事や人間関係も好転していったんです。再びガンダムのテーマソングのお話もいただけるようになり、楽曲が久しぶりにヒットチャートに入るようになって、自信につながりました」