森口流・SNSとの付き合い方

「私が10代、20代のころとは違い、いまはSNSなどでいろんな人とつながれる便利さがあるものの、いろいろな声がダイレクトに届いてしまい、不用意に傷つけらることも多いと思うんです。自分を必要以上に小さな存在に思ってしまったり、誰かと比べて落ち込んだりすることもあると思います。
 私もこうしたお仕事をしていると、すごく嬉しい言葉をいただく半面、厳しい言葉を投げかけられることもあります。でも、それが当たり前だと思うんです。地球上に何十億もの人がいて、すべての人が私の歌を好きになってくれるなんてありえませんから。自分自身に置き換えてみても、好きなアーティストはひと握りですから。応援してくれている人の言葉を大切にしたいです。
 それに、自分にとってのコンプレックスが、意外にも他人から見たら魅力的に見えていることもあるんです。私は、ずっとぱっちりした大きな瞳に憧れていたんですが、あるとき、“森口さんの、笑ったらなくなっちゃうみたいな目はハッピーでステキだよね”と言われて、ハッとしました。“隣の芝生は青い”ではないですが、自分で気付けていない魅力がきっとあるので、自分で自分を傷つけないでほしいですね」

森口博子 撮影/有坂政晴