1999年から芝居を中心に切磋琢磨しており、現在はフリーの俳優として活動する浜中文一さん。グラビア、ステージ、舞台と、さまざまな表現の場で経験を積み、独特の個性が光る浜中さんが語る、THE CHANGEとは。【第2回/全4回】

浜中文一 撮影/冨田望 スタイリスト/渡辺奈央(Creative GUILD)

 2023年には4本、今年に入ってからもすでに1本が上演、2本の上演を控えており、休む間もなく舞台に立ち続ける浜中文一さん。

 最新主演作は8月17日より上映される『ブラック・コメディ』(IMM THEATER)だ。

 メインビジュアルには、「予期せぬ停電をキッカケに、視界を奪われた大人たちが大慌て!!」というキャッチコピーが踊るが、その背景には個性的な演出がある。英国の劇作家ピーター・シェーファーの戯曲による同作は、浜中さん演じる無名の若手彫刻家ブリンズリーが、停電のさなか、自身のウソやごまかしがバレぬよう、婚約者や元恋人、隣人、婚約者の父親たちを巻き込んで右往左往するというストーリー。明かりがついているシーンでは舞台上の照明は消され、停電シーンに明転するという凝った演出で、あわてふためく浜中さんがぞんぶんに楽しめるというわけだ。

「“真っ暗な中”という設定で芝居をしますが、本来、真っ暗なときって人に見られていないじゃないですか。でも今回はお客さんに見られている。そう思うと、普段見られないところを見られる感覚になるのかな。きっと暗闇のときって、こんな顔(※気の抜けた表情)をしているだろうからちょっと恥ずかしいな、とも思います」