もはや説明不要ともいえる歌手・タレントの後藤真希。国民的アイドルグループのモーニング娘。に13歳で加入、15歳でソロデビューすると、瞬く間に日本中がその名を知るアイドルとして活躍してきた。2008年の事務所移籍後は、ソロアーティストとしてライブのほかYouTubeでの動画配信やモデル業など、精力的に活動。今年デビュー25周年を迎えた後藤真希の人生の転機とは?【第3回/全4回】

後藤真希 撮影/松島豊

卒コンではファンが名前をコールしながら駅まで帰った

 テンポよく、インタビューに答える後藤さん。モーニング娘。としての印象が強いが、実は在籍期間が約3年と短い。

「“卒業した後、なにをするのかな”って考えたりしていました(笑)。本当、グループに加入してあっという間に卒業、みたいな感じでしたね」

 17歳の誕生日に迎えた卒業コンサート。ダブルアンコールに応え、たった一人でステージに立つ姿からは、覚悟が伝わってきた。実際にはどのような気持ちで、ステージに立っていたのだろうか。

「卒業コンサートの最後に、ソロで『赤い日記帳』を歌ったんです。そのときはまだ、“卒業”という意味がよくわかっていなかったです。例えば“もう芸能界を辞めます”だったら、コンサートの光景も違って見えたと思う。でも実際にはまだハロプロに残るので、卒業と言ってもメンバーとも今後もしょっちゅう一緒にいるだろうし、“いつもどおりのライブだけれどグループからは卒業”みたいな。ちょっと複雑な気持ちでした」

 ファンの間では通称である後藤さんの「ごっちん」という愛称。卒業コンサートでは、開演前からファンの「ごっちん」コールが始まり、終演後もコールは鳴り止まなかったという。

「ファンの方が私の名前をコールしながら、駅まで歩いて行ったっていうのは聞いたことがあります(笑)。いままでの卒業したメンバーも、コールみたいなのをファンの方がされていたと聞いていたので、“私のときもあるんだ”って、嬉しかったです」

 惜しまれつつもグループを卒業し、ソロのアーティストとしての一歩を踏み出した。

「ハロプロでは、ほかにもソロでデビューして、それぞれ単独ライブをするわけじゃないですか。ついに、私もソロコンをやるんだって思いましたね。そこから、もうちょっとしっかりしなきゃっていう気持ちになりました」