2000年代前半、透き通るような声でストリートライブを行って「路上の天使」と呼ばれ、恋愛バラエティー番組『あいのり』(フジテレビ系)の主題歌「明日への扉」などで話題を博してきた川嶋あいさん。幼少期から数々の「THE CHANGE」を経験してきた彼女に、これまでの人生やこの先の未来について語ってもらった。【第5回/全5回】

川嶋あい 撮影/桜井恒二

 デジタル技術やSNSが急発達する昨今、川嶋さんは今後の世界をどのように見ているのか。そして、そんな時代をどのように生きていこうと考えているのか?

「私自身は常々、人の背景を想像できる人間になりたいと思ってるんです。私はそういう世界を願ってるといいますか、そういう世界で生きたいです。すべての年代の人たちがそういう思考になって生きていったらどんな世の中になるかな、と」

 “人の背景を想像する”とは一体どういうことなのか。川嶋さんは、こう語る。

「ひとつの出来事とか事件が起きた時に、私たちは色んな人たちのコメントを目にします。でもそのコメントだけが全てではないと思うんですよね。その角度だけではないといいますか、人の形はもっと色んな角度があって、立体的に見た時に違う表情を初めて知ることができたりする。それこそが、その人が生きてきた背景を知ることにつながると思っています。

 重大な事件を起こしてしまった犯罪者の人でも、その人は何でこういう思いになって、ここに至ったのか、ということを私は想像したいと思っています。絶対何かのきっかけがある。