東京・八王子の仲間3人で結成した人気音楽グループ・FUNKY MONKEY BABYS(ファンキーモンキーベイビーズ)のリーダーとして活動した、ファンキー加藤さん。ソロデビュー後も、大型タイアップソングを手がけ、日本武道館でコンサートを開催するなど順風満帆なスタートを切った。今年でソロ活動10周年を迎え、いまも変わらず応援ソングを歌い続ける、ファンキー加藤さんの「THE CHANGE」とは。【第1回/全5回】

ファンキー加藤 撮影/有坂政晴

最初のチェンジは「弟の結婚」

 ファンキー加藤さん(以下、加藤さん)、モン吉さん、DJケミカルさんの3人でキャッチ―なサウンドに乗せ、前向きなメッセージソングを歌い、大人気となったFUNKY MONKEY BABYS。結成以前は、大きな目的もなくその日暮らしをしていたそう。そんな加藤さんの目を覚まさせたのは、弟の存在だった。

「僕にとって、いくつかのチェンジがありますが、おそらく最初は20代前半で弟が結婚を決めたことです。当時、実家暮らしをしながらクラブとかで音楽活動をしていたんですが、そこまで本気じゃないというか。目的もはっきりせず、ただ楽しんでるだけで、端から見れば気ままなフリーターでした。
 そんなとき、弟の結婚が決まって両家顔合わせの日がやってきたんですが、僕は当日ばっくれたんです。ほんと、ひどい兄ですよね。もちろん少し前までは、かわいいだけに弟の結婚は嬉しかったけど、自分のいまの姿はといえば、定職にも就かずふらふらしてる。弟は一生懸命働いて成長しているのに、自分は何ひとつ変われていないと思うと、カッコ悪くて、どうしてもその場に顔を出す気になれなかったんです。
 そのとき、ハッとしたんです。それまでクラブに行って歌うのは楽しかったし、明け方までバカ騒ぎしてきたけど、帰り道に朝焼けの光が眩しく感じたり、通勤で駅に向かう人たちを見ては、すごく後ろめたくて。父親が昔バンドマンだったこともあり、音楽活動への理解があったことに“甘えていたんだな”って気が付きました」