Youtubeの人気チャンネル「フェイクドキュメンタリーQ」(以下、Q)から生まれた「読むと死にます」ヨムシヌ本をご存じだろうか? 同チャンネルで公開中の短編ホラー作品の中でも再生回数の多い6つの動画の後日談や新作エピソード2編が収録されているサイトと同名の書籍のことだ。
「いわくつきの個人撮影映像」や「お蔵入りになったテレビ番組の取材映像」などを再編集したという設定の作品を公開しているのは、テレビドラマ『心霊マスターテープ』シリーズなどで知られる寺内康太郎監督ら4人の恐怖マイスターたち。
そこで本サイトは、同チャンネルの熱心なファンだという「第5回女芸人No.1決定戦 THE W」で王者に輝いたお笑い芸人オダウエダの植田紫帆さんと、Qの寺内監督に対談を依頼。最終回となる第4回は、小道具などへの恐ろしいほどのこだわりから、かなり酷かったという芸人の世界まで、存分に語り合っていただいた。
では、暑さを忘れる「真夏の夜の恐怖トークバトル」をご堪能あれ。ただ、くれぐれも「キムラヒサコと目を合わせないでください――。」
「一週間かけて雨風にさらしたりします」
――これまでにも共通点はいくつも出てきましたが、笑わせること、怖がらせることで、他にも共通する部分はありますか。
寺内:オダウエダさんのコントはリアリティありますよね。クラブのコントとか、本当にあったら怖い(笑)。
どんなネタ作りをしているのか気になります。
植田:こういうシーンを見せたい、というところから台本を作りますね。
寺内:僕は視聴者が観終った後の感情を決めて、そう感じるためにどう演出しよう、と考えます。何か感情を決めないと動かせないところはあります。
僕らは裏方だから、「これを見せたい」という演者側の気持ちではなく、それを見て「どう感じるか」という、見る側の視点に立っているのかもしれません。
オダウエダさんは、小道具にもこだわりがありますよね。ビジュアル的に気持ち悪いものとか(笑)。
植田:あれは小田が作ってるんです。視覚的なセンスがあるんですよ。でも、それで言ったら、Qの美術の方もすごいですよね。
寺内:小道具は、全部、僕が担当しているんです。衣装とか小道具って、演者と同じじゃないですか。古い物を探してくるにせよ、キャスティングと同じ気持ちでやっています。
ひとつの撮影で小道具は一個しか作りません。
植田:それはもう、替えのきかない本物になりますよね。
寺内:数時間でできる汚しでも、一週間かけて雨風にさらしたりします。
これは、僕がその偽物の小道具を本物だと思いこんで、撮るためにやっていることなんですよね。映画とかテレビとかのプロの現場ではやらないことをやっています。これができるのは、4人という人数でやっているからでしょうね。