バラードの名曲『大きな玉ねぎの下で』、青春ソングの定番『Runner』や夏と言えば『リゾ・ラバ-Resort Lovers-』など80年~90年代にかけて多くのヒット曲を音楽シーンに送り出した爆風スランプ。そのボーカリストであるサンプラザ中野くんは、早稲田大学出身でスキンヘッドにサングラスという特徴のある見た目で、テレビタレントとしても活躍。今年でデビュー40周年という節目を迎えた爆風スランプ。人気バンドのフロントマンとして活躍した中野くんの人生の転機とは?【第3回/全5回】

サンプラザ中野くん 撮影/松野葉子

 九段下といえば思い浮かぶ人も少なくない『大きな玉ねぎの下で』。爆風スランプの初期の名曲だ。

「『大きな玉ねぎの下で』ができた経緯はですね、デビューした1984年12月に九段会館でコンサートをやったんです。コンサートは大成功したんですが、その打ち上げでレコード会社の偉い人から“来年この会場から見える武道館を押さえたから、1年かけて満員にしろ”って言われたんです。九段会館が1000人ぐらい入るホールで、武道館は1万人。ざっと10倍。すごくプレッシャーを感じました。
 当時は、武道館を満員にするのは海外のアーティストとか日本でも大物アーティストしかいなかった。こんなデビューしたばかりのペーペーの若造がどうすればよいのか心配でした。そこから、まだコンサートまでは1年あるから、一生懸命プロモーションを頑張ろうと誓いましたね」