“ひきょうだな、ちょっとずるいな”という部分を意識
――演じるにあたって心がけたことは?
「“真守ってひきょうだな、ちょっとずるいな”とか、“グズグズしてはっきりしないし、何を考えているかわからない”というところは意識しました。僕自身、これまでに出会ったことのない役柄だったので、新鮮な気持ちで演じていました」
――小泉さんのキャスティングについて、森ガキ監督は「小泉さんの人当たりの良さと、本心が見えにくい雰囲気を逆手にとって、かなり面白い真守になるという確信がありました」と仰っていましたが、ご自身ではどう思われますか?
「 “人はいいんだけど、本当のところはどう思っているんだ”というのは自分でもわかりますね(笑)。森ガキ監督とは、撮影に入る前に話し合う時間をたくさん作っていただきました。監督から“僕はこういうふうに真守をイメージしているんです”といったことをうかがったので、僕も“こういうことですかね”と自分の考えをすり合わせることができた時間は、本当に大きかったです。
“おそらくこういう人物を僕に演じてほしいんだな”と森ガキさんが求めるものをクランクイン前に限りなく理解できたつもりだし、自分でも“これが真守だ”と自信を持って演じられたので、感謝しています」
――作中、何度か「全部俺が悪いんだよ」、「昔のことはもういいよ」という真守のセリフが出てきましたが、この言葉についてどんな思いがありましたか?
「真守としては、早く桃子とのゴタゴタや生活を終わらせたいんですよね。だから、“もう全部俺のせいにしていいから、早く終わらせよう”っていうことなんでしょう。 多くの女性は “こうやって面倒なことは早く終わらせたいっていう男っているよね”と思うんじゃないかな。
真守がもう少し桃子に向き合うエネルギーがある人だったら、きっと違った形になっていると思うんです。だけど、真守は誠意や真心みたいなものが見えにくいし、わかりづらいので、丁寧な生活を送ろうとする桃子とうまくかみ合わなかったんでしょうね」