父・緒形拳と同じく、20代でNHK大河ドラマの主演を務めたキャリアを持つ俳優・緒形直人。大ヒットを記録した『優駿 ORACION』での映画デビューに始まり、今年、日曜劇場『アンチヒーロー』で改めて知らしめた存在感、出演を控える連続テレビ小説『おむすび』と、父と同じく俳優としての人生を歩むが、もともとは「裏方志望だった」とか。そんな緒形さんがTHE CHANGEを語る。【第2回/全4回】

緒形直人 撮影/有坂政晴

 アイヌ民族と和人(シサム)との歴史については、多くをどころか、ほとんど語られてきていない。公開中の映画『シサム』は、江戸時代初期、<蝦夷地>と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易をおこなうなかで起きた争いを描く。緒形さんは、交易の旅に出た先でアイヌの人々に命を救われ、交流を深めていく松前藩の武士・孝二郎(寛一郎)の、先輩の松前藩士・大川を演じている。

「僕はこれまでの出演作でも北海道には割と縁があります。いろんなところにも行ってるんですけど、それでもアイヌ民族のことも、北海道のこんなに悲しい歴史のことも知りませんでした。今回、出演することで、知っておきたいと思いました」