『どか~ん』(1990年)や『サマーヌード』(1995年)、『拝啓、ジョン・レノン』(1996年)といった、色あせない名曲を送り出してきた2人組バンド、真心ブラザーズがデビュー35周年を迎える。2014年に自身のレーベル「Do Thing Recordings」を設立し、今夏も音楽フェスに参戦するなど、精力的に活動を続けているYO‐KINGさんと桜井秀俊さんに、真心ブラザーズにとっての「THE CHANGE」について語ってもらった。【第5回/全5回】

真心ブラザーズ 撮影/有坂政晴

 デビュー35周年を迎えた真心ブラザーズ。同じころに活動を始めたアーティストは解散したり、活動自体から退く人たちもいるなかで、ふたりは自分たちらしいペースで歩み続け、音楽を鳴らし続けてきた。個性の異なる2人組であることが奏功したという。

桜井秀俊 「大学のころは別々にバンドを組んで活動していたこともありますが、いま振り返ると、2人組だったことが僕らにとってメリットが多かったなと思います。ミュージシャン同士が一緒に音を出すって、いまでもやっぱり刺激的なことなんですよ。例えば、3ピースのバンドだと、3人の出す音が土台となり、それが強固でかけがえのないものであればあるほど、ある種の縛りにもなると思うんですね」

YO‐KING 「やっぱりね、人間って絶対いつかは飽きがくる。人それぞれ、自分が思い描くサウンド、文学の世界みたいなものがあって、そうした異なる価値観がぴったり合うということはないにしても、相互作用を果たして、音楽って作られていく部分があると思うんです。それを継続させるとなると、モチベーションやエネルギーも必要になりますよね」

桜井秀俊 「その点、2人組って、みんなの間を取る必要がないし(笑)、どちらかが調子悪そうだなと思えば、“じゃあ僕が頑張ります”ってこともできる感じ。曲作りも1人だけで作るよりもプレッシャーは少ないですしね」