早くも続編の反響がぞくぞくと……
続編のタイトルは『100日後に死ぬ(×)ネズミ』。「死ぬ」の文字に、大きな×印がのる。
「ワニは『100ワニ』で死んでしまったことが、今回の続編で正式に明らかになりましたが、残されたネズミや仲間たちみんなはそれでも生きていかないといけない。読んでくださる方々も、いろいろな経験をして生きていると思いますが、同時にネズミたちもワニが死んでしまい、なぜ助けてあげられなかったのかという経験を経て、生きています。100日後に一体なにが起こるのか、生きていればその可能性の中に『死ぬ』ことも当然あると思います。生きるとはなにか、そして死ぬとはなにか? を読んでいただく方々に少しでも考えていただきたいと思い『死ぬ』に×を入れました」
ーーたしかに、「ワニくんの死」という“衝撃の一日“の出来事により、登場するネズミや仲間たちの意識が変化せざるを得ないですよね。
「そうですね。ネズミたちは、“こういう辛いこともあるよね”というのを踏まえて、生きていかないといけないんです」
そして8月21日、『100ワニ』の続編『100日後に死ぬ(×)ネズミ』の連載がXでスタート。あの日、ワニが事故に遭った悲劇の瞬間と、ネズミとワニのとある日の何気ない日常シーンが交互に描かれている。当日17時時点のリポスト数は2900以上、いいね数は1.1万、そして再生数は243万回に及んだ。
「多くの方々に忘れないで、再びお読みいただけて本当に嬉しい限りです。投稿前は“反応がまったくない”という可能性もあるのではないか……と内心では思っていました。自分なりに描きたいものを描いていくことが大事なので、反応がなくても納得できる状態ではいたんです。
けれど“今後がとても楽しみです”との声も多数いただき、続編をスタートさせてよかったと思っています。
連載を開始すると、早くもXにて、はじめしゃちょーさんからは“ネズミ…泣”。同じくXにて、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督からも“きくちさんから電話あって『ワニの続編始めます!』と聞いた時はびっくりした!どんな物語が始まるのかは敢えて聞きませんでした。いち読者として楽しみます!!”と温かいメッセージをいただきました」
現在も毎日、執筆中だという、ネズミくんたちの物語。『100ワニ』でもそうであったように、
「僕が“こういう方向に持っていきたい”と思っても、キャラクターが都合のいい言動をするとは限らないので、なかなかスイスイと筆は進んでいません(笑)」
と話すが、キャラクターの想いを尊重しながらの作業は、充実している。
「連載6日目『ゴメンね』で、はじめてワニが死んでしまったことが明かされると、Xでは“やっぱりワニは死んだか”“いきなりの夢展開。ただただ辛い”など読者の方から反響を呼んでいることを実感するコメントをいただきました。連載8日目『ワニ、事故、誰』でも、タコキーホルダーの持ち主たちと事故との因果関係にいろんな憶測を呼んでいることは、作者としてはうれしく思っています。
『100ワニ』で“どんなことにも終わりが来る”ということを経験した、ネズミやその仲間たちが、どう生きていくのか、見守ってほしいです。同時に、近くにいる相手を知っているようで知らない時代に、本作を通じて、“寄り添うことの大切さ”を読者の方々に伝えていけたらな、と思っています」
(つづく)
きくちゆうき
イラストレーター/漫画家
2015年より「どうぶつーズの漫画」(幻冬舎plus)、16年より「SUPERどうぶつーズ」(LEED Cafe)の連載を開始。
2020年に自身のTwitter上で4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」を連載。
#Twitterトレンド大賞2020でTwitterトレンド大賞にて最多リツイート賞&最多いいねのW受賞。同作品の書籍版は35万部を突破。
その他「何かを掴んでないとどこかに飛んで行っちゃうアザラシ」など、オリジナリティ溢れるキャラクター作品を展開中。