現在、もっとも注目される漫才師・ランジャタイの伊藤幸司と国崎和也。M-1王者マヂカルラブリー野田クリスタルに「あれこそカリスマですよ。芸人はああなるべきですよ、みんな」と絶賛され、同じくM-1王者の錦鯉渡辺隆からも「理想だよな」と評価された国崎。その傍らに立ち、唯一無二の存在感でツッコミつづける伊藤。
 はてしなく深い地下から、現在の輝く舞台まで、ずっと一緒にやってきたランジャタイの2人。2023年にはほぼ同時期に著書を出版した。彼らのTHECHANGEとはなんだったのかーー。

撮影/三浦龍司

「昔のことはけっこう鮮明に覚えてますね……暇だったんでしょうね。ネットも何もなくて。もらったお小遣いで、ゲームとかもレビューとかもないから、一点賭けというかね。頼むぞって、それを数か月やらないといけないわけですから、こっちは。外したときのショックがきついですね。

 ゲーム機もプレイステーション2と64が同時期に出たときに、人生のほんと岐路ぐらいにいちばん迷ったと思います、あの時代。どっち買う、みたいな。

 僕は、64買ったんですよ。いま考えたら絶対プレステ2ですけど。そんなのありましたね」

 国崎さんの著書『へんなの』には、幼少期の思い出を題材にしたエッセイが何本もあり、その記憶のたしかさには驚かされる。プレステ2とNINTENDO64が人生の岐路、だった、という話には納得しかない。