国崎「得意ですからね。グッとさせるの。コツつかんで」
ーーお2人のエッセイの書きぶりは、グッとくるところがめちゃくちゃあって、似ているところも多いと思います。
国崎「得意ですからね。グッとさせるの。コツつかんで」
ーーどうやったらグッとさせられるんですか。
国崎「えなんだっけな。わかんないですけど」
伊藤「なんだっけな、って」
国崎「人の心を動かすのは得意ですか?」
伊藤「なんか……ギャップとかなんですかね?」
国崎「ちょっとセンチメンタルになるみたいな。懐かしんだり、そういうのが手口ですね。あの時代が懐かしい、みたいな」
ーーまんまと乗ってしまいました。
国崎「みなさん、ダマされないでください。何も思ってないですから」
そう語る国崎さんだが、『へんなの』では、幼少期、そして売れていない時代の話など、出色のエピソードも数多い。なかでも、ガソリンスタンドで9年間、ひとりきりの小部屋で働きながらカラーコーンに真剣に話しかけたりしていた、という、現在のスタイルにも通じるような逸話が印象的だ。