2001年に放送され、以来常に「もう一度見たい朝ドラ」の上位にランクインし続けている『ちゅらさん』(NHK総合)で、ヒロインの“えりぃ”こと恵理役を演じた国仲涼子。今年2024年4月から再放送され、ふたたび注目を集めるなか、彼女が新たに挑むのは娘と自身の不倫に翻弄(ほんろう)される母親役! 国仲涼子の、THE CHANGEとは──。【第1回/全4回】

国仲涼子 撮影/三浦龍司

 沖縄県で生まれ育った国仲涼子が、スカウトをきっかけに上京したのは、高校の卒業と同時だった。そして、彼女がNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』で演じた“えりぃ”もまた、沖縄の高校を卒業して上京する。まるで、国仲涼子ありきで生まれたドラマのようだが、実際にはオーディションを経て2000人以上の中から射止めたヒロインの座だった。

「今年、脚本を担当された岡田惠和さんとお会いする機会があって、“どうして私がえりぃだったんですか?”と尋ねたら、“涼子ちゃんだけが、早くこの場(オーディション会場)から逃げ出して家に帰りたい、って顔をしてたから”とおっしゃるんです」

 “えりぃ”といえば、太陽のように明るい女の子。なぜ、そうじゃないことが決め手になったのだろう。

「だからこそ、だったそうです。そうじゃない子が演じることで、えりぃがさらに輝く、と。確かに私は、ぜんぜん太陽みたいな女の子じゃないし、落ち込むことも多いんです。でも、選んでいただいたのだから、頑張ろう! と撮影の期間は必死でした」

 ほぼ初めてのドラマでの、朝ドラヒロイン。台本に「泣く」と書かれていたのにどうしても泣けなかったり、セリフを覚えてただ言うだけになりそうになったりと、何度も壁にぶつかりながらも、その度に乗り越え、“えりぃ”を生き生きと演じた。

「岡田さんの脚本は、とにかくセリフの量が多くて大変でした。そして“……”が多いんですよ! 俳優はその“……”から役の感情を読み取り、表現しなくてはならない。とても難しかったですね」

国仲涼子 撮影/三浦龍司