青森のご当地アイドル「りんご娘」でデビューし、バラエティ番組では青森弁でも注目されてきたタレントの王林さん。グループ卒業後は、ソロで音楽活動や女優業にも挑戦。そして今年2024年には、ミュージカル出演という新たな飛躍が待っていた。青森から日本中を席巻してきた、王林さんのTHE CHANGEとは。【第1回/全4回】

王林 撮影/松島豊

 青森弁が特徴的で、おっとりとした雰囲気をただよわせている王林さん。取材があったこの日も、ひとたび話し始めればほんわかとした“王林ワールド”が広がっていく。

 そんな王林さんが、2024年11月から公演のミュージカル『プロデューサーズ』に出演。初めてのミュージカルでヒロインのウーラという大役をつかんだ。同名のアメリカ映画をニューヨーク・ブロードウェイでミュージカル化した舞台だ。

「お話をいただいたとき、どうやって断ろうか? って思いました。私に務まるのかなって」

 苦笑いしながら、テレビで見るとおりの“正統派青森弁”で素直な気持ちを語り始めた。

「中学生のとき、修学旅行で劇団四季さんを観劇して以来、ミュージカルを見るのが好きでした。ひとりでミュージカルのマネをしてみたり、最近なら『天使にラブ・ソングを…』も好きです。ずっと見る側だったので、いざ舞台に立つと考えるとプレッシャーの方が先にきます」

 王林さんが「りんご娘」に加入したのは’13年。’17年にはテレビ朝日の公開オーディション番組『ラストアイドル』でグループバトルに参加し、歌・ダンスで真剣勝負を繰り広げた。’22年にグループを卒業後は、ソロアーティストとして活動している。

 いざ「何でも挑戦してみよう」と思って稽古に臨んだが、10年以上のキャリアはあってもなお、ミュージカルのハードルは高かった。

「アイドルとして歌やダンスの経験はありましたが、(ミュージカルは)全く違いました。意識するポイントも全然違いますし、うまくやればいいというものではないんですね。振り付けのとおりに踊るのではなくて、“ウーラだったらどう踊るんだろうか”を考えて演じるというステップがあります。彼女はセクシーな女の子なので、普段の王林が出ないようにしないといけないですね」