ポイントは“心が動くかどうか”
演じることへの気持ちの「CHANGE」は、俳優としての幅を広げていくことになる。映画『ヘルタースケルター』、大河ドラマ『八重の桜』などの話題作に出演。2014年には、連ドラ初主演も果たす。しかし、2020年代に入ると、世界はパンデミックに。そこでまた改めて「CHANGE」を感じたという。
「コロナ禍というのは私にとって大きくて、命には限りがあるんだなということをすごく感じましたし、限りある命だから、自分のやりたいこと、自分がどこに時間を使いたいかということをもっと突き詰めて考えるようになりました。
“仕事だからやる”というよりは“興味があるからやる”、“好きだからやる”というシンプルな思いに至ったんです。ポイントは“心が動くかどうか”。そうすると不思議と仕事関係で出会った人もどんどんその輪が広がっていくし、もっとより大きなものに繋がっていったりするんですよね。それによって、自分の好きなものもすごくハッキリするようになっていきました。まさに今回の『徒花-ADABANA-』はそういうことなんです。甲斐監督の世界に入りたいっていうシンプルな思いに心が動いて、飛び込みました」
心が動くかどうかを自分の判断基準にして、いろいろなものを素直に受け止めるようになったという水原さんにとって、「心が動く」ものとして核にあるのがファッション。そのきっかけは子どもの頃の出来事にあった、と自己分析をしてくれた。
(つづく)
水原希子(みずはら・きこ)
1990年10月15日アメリカ生まれ、日本育ち。モデルとしてキャリアを積み、ニューヨーク、ミラノ、パリのファッションウィークでも活躍。『ノルウェイの森』(2010/トラン・アン・ユン監督)で役者デビュー。『進撃の巨人』(2015/樋口真嗣監督)、『奥田民生になりたいボーイ出会う男すべて狂わせるガール』(2017/大根仁監督)ではヒロインを演じた。『あのこは貴族』(2021/岨手由貴子監督)で、第35回高崎映画祭にて最優秀助演俳優賞を受賞。女優としても存在感を放っている。
●作品情報
『徒花―ADABANA―』
監督・脚本/甲斐さやか
出演/井浦新 水原希子
三浦透子、甲田益也子、板谷由夏、原日出子/斉藤由貴、永瀬正敏ほか
10月18日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開
配給:NAKACHIKAPICTURES
©2024「徒花-ADABANA-」製作委員会/ DISSIDENZ
https://adabana-movie.jp/