2011年、19歳でミュージカルデビューをした味方良介さん。その後もさまざまな舞台に出演し、最近はドラマ・映画などの映像作品にも進出している。ミュージカルに憧れていた少年時代から現在まで、葛藤の連続だったという俳優人生の転機を聞いた。【第5回/全5回】

味方良介 撮影/有坂政晴

突然だった『教場』への抜擢

 味方良介さんは2011年のデビュー以降、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンをはじめ数々のミュージカル作品に出演、さらにつかこうへい作品の『新・幕末純情伝』『熱海殺人事件』に出演するなど、舞台を中心に活動してきた。そんな味方さんが20年にドラマ『教場』(フジテレビ系)に抜擢される。正月に放送されるフジテレビ開局60周年特別企画という大作が、初めて出演する映像作品となった。

ーー『教場』の出演はどういうきっかけだったのでしょうか?

「3回めの『熱海殺人事件』(19年)を観た『教場』演出の中江功さんたちが、終演後に楽屋に来てくださって、そこで“ドラマやるんですけど、やります?”みたいに言われたんです。こちらも“ぜひぜひお願いします”って感じだったんですけど、しばらくしたら台本が送られてきたんです。とりあえず読んで、どんな役か聞いていなかったんでマネージャーに聞いたら、“都築耀太です”って。ちょっと待ってくださいって、もう一回読み直して、“それ、本当に僕で合っていますか?”って聞いちゃいました」

 都築耀太は木村拓哉が演じる風間公親が担当する訓練生のひとり。警察学校にいながら警察官への恨みを広言していて、物語の後半で風間とぶつかりながら、本心を打ち明ける重要な役だ。

「木村拓哉さんと戦っていいんですか? って。でも間違っていないなら、これはやらなきゃダメだって。そのとき、舞台が2本ぐらいドラマ撮影とかぶっていたんですけど、フジテレビの方たちになんとかスケジュールを調整していただいて、実現したんです」