2025年度後期放送予定のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインを演じることが発表された高石あかり(高ははしごだか)。現在上映中の映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』では、殺し屋でありながらその正体は社会になじめぬ不器用女子という、対比の効いた役を見事に演じ切った。彼女はプライベートでは、ちょっと不思議ちゃんな一面も? 気鋭の若手の素顔に直撃してみた!【第1回/全2回】
――現在上映中の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(以下=『ナイスデイズ』)。日本映画界に“殺し屋ジャンル”を確立したアクション映画で、今回は3作目となりますね。
「はい。一作目が2021年の『ベイビーわるきゅーれ』。2作目は23年の『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』。こんなに短いスパンで、3作目が上映されたのは本当に嬉しいです」
――それだけ人気があるという証拠です。さらに、9月からはテレビ東京で『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』が連続ドラマとして放送開始。もはや飛ぶ鳥を落とす勢いです。
「正直、驚いています(笑)。まさか連ドラにまでなるとは思ってもいなかったです」
――もともとは“超低予算映画”という位置づけでしたもんね。とはいえ、その中身は本格的なアクションシーンが満載。その一方で、高石さん演じる“ちさと”と、伊澤彩織さん演じる相棒の“まひろ”の、脱力系の日常風景はコミカルで、笑えるシーンも多いんですよね。
「ありがとうございます。アクションシーンに関しては、今回の『ナイスデイズ』は過去2作よりも2〜3倍増えているんです」
――映画の冒頭から“まひろ”と、池松壮亮さん演じる“冬村かえで”が、壮絶なバトルを繰り広げていましたね。
「そうなんです。これまでの『ベイビーわるきゅーれ』は、最後に1対1の戦いがあるという展開だったのですが、今回は最初から、激しく激突。息を飲むシーンが続きます」
――ここでは“まひろ”が負けて、血まみれで倒れているところに高石さんが駆け寄るシーンがありました。
「実はあのシーン、リハーサルのときから、私も伊澤さんもお互い涙が止まらなかったんです。泣いてはいけない場面なのに、何回やっても涙が止まらない。それで阪元裕吾監督に相談したんです。“どうしても泣いちゃいます”って」
――ともに戦ってきた相棒が無惨な姿となっていたら、どうしても悲しくなりますよね。阪元監督はなんておっしゃられたんですか?
「僕も分からないよ、と(笑)。この場面で、“ちさと”や“まひろ”がどういう反応するかは、監督も分からないというんです。ところが、いざ本番となったとき、監督は“作品の中でも、私生活でもいいから、イラッとしたことをたくさん思い浮かべてみてください”と指示されたんです」