今年5月に発表された「役者のドラマ出演ランキング」(ニホンモニター)で6位にランクインしたとおり、いまやテレビドラマに欠かせない存在である俳優の風間俊介さん。好青年から良心のない殺人鬼まで、自由自在に“人間”を演じ視聴者にそのつど印象的な余韻を残してくれる風間さんの、THE CHANGEとは。【第4回/全5回】

風間俊介 撮影/有坂政晴

 風間俊介さん(41)といえば、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。『ZIP!』(日本テレビ系)に代表される、淀みとかげりのないトークでお茶の間に元気を与える好青年か。それとも、人をいたぶることをものともしないクズ男か。またはどこにでもいる素朴な会社員か。ほとばしる情熱で愛を語るディズニーマニアかーー。そのどの姿も腑に落ちてしまうのが、風間さんではないだろうか。

 光と闇を自由自在に行き来する風間さんだからこそ、11月から上演される自身3年ぶりの単独主演となる舞台『モンスター』での役柄をどう捉えているのだろうか。

 風間さんが演じるのは、華やかな職場から逃れるように教師となった男・トム。風間さんと対峙するのは、若手実力派俳優の松岡広大さん(27)。母親を自死で失くして祖母と暮らすも、複雑な家庭環境からか不規則な言動を繰り返し、周囲にひりつくような緊張感を与える14歳の少年・ダリルの役を担う。

 タイトルにある“モンスター”はダリルが内在していると同時に、深い問題を抱えるトムにもまた潜んでいると、風間さんは台本を読んで感じたという。

「トムは一見ものすごく理性的な人間に見えますが、それって、ムリヤリ自分を押さえつけて理性を保っているように思えるんです。だからこそ反発が起きたときの衝動性が大きい人間ではないかと思います。トムが“自分を抑えよう”としている行為じたいは、人間の闇と光でいうところの光だとは思いますが、それは間違っていると僕は考えています。“なりたい自分”“あるべき自分”を目指そうとする姿は“光”でも、そうすることが抑圧になっているとしたら、抑えつけたものはバネのようにひっくり返ってしまいますからね」