闇を背負う役柄を演じることについて、風間さんはどう考えている?

 今回のトム役を筆頭に、風間さんはこれまで、“闇”を浮き彫りにした複雑な胸の内を抱えた役を数多く演じてきた。

「いつもなにか背負っていますよね(笑)。僕自身、考えることがすごく好きなんです。なにかと向き合って紐解いていく、ということがたぶん好きなんだと思います。趣味もそうですし。だからこそ、考えるより先に体が動く熱血漢! みたいな、“あいつ、超イイ奴!”という役が苦手です。むしろ、できない(笑)」

ーーそういう役もやられたことはありますか?

「何度かあります。そもそも、僕自身がやりたい役や向いている役だけを演じて生きていきたくないと思っていますし、僕自身がどう思おうと関係ないのですが……でも苦手な役柄はあります」

風間俊介 撮影/有坂政晴

ーー苦手な役柄を演じるとき、普段よりもギアを上げたりしているんでしょうか。

「もちろん描きます。だけど、“こういうことでしょ? 少年漫画の主人公みたいでしょ?”という感じになってしまうんです」

 だからこそ「なにかを抱えている人間のほうが、自分の肌感覚には合っている」という。そんな風間さんが「明確なターニングポイントとなった作品」と話すのが、脚本家・坂元裕二さんが描き下ろしたドラマ『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)だという。