アマチュアレーサーから芸能界へ。出演CMを見ていた松平健の目にとまったことをきっかけに、『暴れん坊将軍III』でドラマ初出演を果たし、25歳にして女優デビューした高島礼子。そこから35年。映画にドラマに、近年は舞台にも精力的に出演し、俳優としての実力と地位を積み重ねつつ、バラエティでは気さくな素顔を見せている。「いま人生がとても楽しい!」とほほ笑みながら、同時に「家と仕事の往復だけだった時期もあった」とも告白した高島さんのTHE CHANGEとは──。【第1回/全4回】

高島礼子 撮影/有坂政晴

「よろしくお願いします」

 高島さんが取材部屋に入ってきた。机の上に乗せたサイトのアイコン、砂時計を手にしながら「本物なんですね!」と反応する。高島さん自身は謙虚な物腰なのだが、端から隠し切れないオーラが漂う。

 芸能界での交友関係も、元宝塚のトップスターの一路真輝から、ロックバンド「LUNA SEA」のドラマー・真矢、ダチョウ倶楽部寺門ジモンなど、とにかく広いことが知られている。そのことに触れると、意外な言葉が返ってきた。

「でも私、20年ちかく、一切友達付き合いってしていなかったんです。仕事が忙しかったこともあるんですけど、家のことと仕事だけで目いっぱいで。だから長い間、友人というのは、本当に数人だけでした。ここ最近になって、女子会というものを始めました。そこからたくさんいろいろな人とお付き合いしていきたいと思うようになって、いままでしてこなかったこともできるようになったんです」

──20年間も仕事と家の往復だけだと、外に出て行くにも勇気が要りそうです。

「そうなんですよ。最初は戸惑いました。“どうしよう、私、どういう人と仲良くできるんだろう”って」

──高島さんでも、そう思うんですね。なんだかとても安心します。

「外に出ていくのには勇気が要ります。でもね、実際に出てみると楽しいんですよ。もっともっと友達をつくって、いろいろな世界や楽しみを、味わうべきだったと思います」

──なるほど。

「SNSなんかでも、みなさん“高島さんの人脈、すごいですね”とコメントくださるんです。あ、わたし、ちゃんと読んでますからね。うふふ。でもね、本当に、ここ数年なんです。本当に寝る間を惜しんで友達をつくりました。それでいま、はじけ過ぎちゃってますけど(笑)。
 先輩や後輩とか、職場で出会った方だけじゃなくて、普段は手の届かないようなお偉い社長さんとか、もう全然自分より年齢の若いラーメン屋のアルバイトの子とか。いろいろな方たちと付き合って、楽しんでいるんです」