いま、空前の怪談・オカルトブームを迎えている日本。怪談師のライブは即日ソールドアウトし、イベントは大盛況、熱狂的なファンがつきSNSのフォロワー数や動画再生回数は派手な数字を示している。吉本興業所属の芸人で、生き霊や悪霊など、“視えすぎる芸人”として活動するシークエンスはやとも(33)も、そんなひとり。小学生の頃からその能力に目覚めていたものの「心霊ネタをやりたかったわけではない」と明かす彼の、THE CHANGEとは。【第3回/全5回】

シークエンスはやとも 撮影/有坂政晴

 “霊が視えすぎる”芸人としてテレビやYouTube、著書や占いサイトなどさまざまなメディアで活動するシークエンスはやともさん。お笑い芸人を志してNSC東京校に入学した当時はコンビとして活動していたものの、2度の解散を経てピン芸人に転向、毎日のように心霊体験をしていたがそれを芸風にすることはなく、むしろ「ずっと心霊から逃げ続けていた」という。

ーー「心霊から逃げていた」と葛藤があったのは、かつて有吉弘行さんが「オカルト的なことを始めたら芸人終わり」とおっしゃっていたようなことと関係がありますか?

「そうです。僕は小さい頃からお笑いが好きだったし、"霊が視える”というのはお笑いにはなり得ない、つまり心霊とお笑いが相反することは小学生のときからわかっていました。上岡龍太郎さんもオカルト嫌いで知られていますが、"霊”というエビデンスのないものを言い出すと、その人の話が嘘か本当かわからなくなるんですよ。その状態で『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)に出て"小学生のときにね”なんて話しても、本当にそんな友達がいたのかも信じられなくなってしまう。全部あやふやになっちゃうから、お笑いが成り立たなくなっていくんです」