相手の心を捉えて離さない瞳と、俳優歴10年超えのキャリアで着実に培った演技力。実写映画『ゴールデンカムイ』シリーズのヒロイン、アシリパ(リは小文字)役もピタリとはまり、ますます上り調子の山田杏奈さん。そんな山田さんのTHE CHANGEとは──。【第2回/全4回】
横浜流星×藤井道人監督の6度目となるタッグ作『正体』。染井為人の小説を原作に、日本中を巡る指名手配犯の逃亡劇を映し出す本作に出演した山田さんは、藤井監督作品に初参加となった。
「藤井監督の作品は、いち視聴者としていつも楽しみに見させていただいていました。いつかご一緒したいと思っていたので、決まったときはすごく嬉しかったです。同時に、社会的に深堀りしたストーリーや、そこに発生する人間の感情といたものを、いつもとても繊細に、かつ大胆に描いてらっしゃるので、現場でどういう演出をされているのかすごく気になっていました」
──実際参加してみていかがでしたか?
「ものすごく丁寧に、芝居をつけるときも、とても熱意をもって演出してくださって、役としての感情も沸き上がる感じがするんです。この現場から、ひとつひとつの素晴らしい作品が生まれているんだなと実感しました」
──具体的にどういったやりとりがあったのでしょう。
「私が演じた舞という役は、たぶん一番観客に近いキャラクターだと思います。普通にテレビの中の人として、“指名手配犯・鏑木”を流すように見ていた。その人が実は近くにて、それを知って動揺するのだけれど……という役。そのひとつひとつの揺らぐ感情を、丁寧にやってもらえたらといった感じのお話をしていただきました」