俳優としての転機はゲスト出演したテレ朝系ドラマ

 照れつつも迷いなく答えてくれるのまっすぐさが魅力の木村さん。「俳優・木村慧人」としての転機、「THE CHANGE」をうかがうと、これもまっすぐに語ってくれた。

「一つは『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系)という作品にゲスト出演したというのが僕にとっての転機かなと思います。個人活動としてドラマに出るのはこの作品が初めてだったんですが、たくさん学ばせてもらいましたし、うまくいかないこともありました。さらにもっとドラマや映画に出たいなと思うようになったので、大きなきっかけですね」

 その後、映画『HiGH&LOW THE WORST X』やドラマ『恋と弾丸』(MBS)などに出演、現場ごとに得るものは多かったという。

「毎回現場が変わるごとにその役としては初心者になる、その作品ごとに新鮮な気持ちで挑めるのが俳優のお仕事の楽しさだなと感じるようになりました。人間なのでそのときそのときでセリフの言い出しも違うし、間も違う。相手によってお芝居の仕方が変わるんですよね。そういうところを探り合って演技するのも楽しいし、自分の中で少しずつ手応えを掴んできたかな、という感じもあって…もちろんいつもうまくいくわけじゃないですけど、歯車が合ったときは、ワクワクするし、その確率をどんどん上げていきたいなと思っています」

 演技への思いが強くなる中で、2024年は次々とドラマに出演。どのように向き合ってきたのだろうか。

「今年を振り返ると、役者としても成長できた年ではありますし、いろんな役に出会えて、さらに今後もいろんな役を演じてみたいと思える1年になりました。人との出会いも多くて、刺激も多かったです。『さっちゃん、僕は』(TBS系)や『顔に泥を塗る』(テレビ朝日系)は全く違う役。でもそれだけに達成感は大きかったです。僕は普段は明るい性格ですが、『さっちゃん、僕は』は、それとは真逆な、本当に暗い性格を演じたんですけど、こっちもいけるんだって。これ演じやすいな、思う発見もありましたし、逆に『顔に泥を塗る』では、基本は明るいキャラクターで、そこはむしろ壁もありましたが、演じていく中で役に近づいていくというか、演じやすくなった感覚はありました。自分に通ずる部分を見つけられたのも大きかったと思います」

 そして、忘れることのできない作品、木村さんにとって「CHANGE」になった作品として、2022年に出演したW主演作品『飴色パラドックス』(MBS)も挙げてくれた。

「本当に全力で役と向き合った日々でした。すごく転機になった作品だなと思います。“木村くんのこと、ドラマで知りました”みたいな方がめちゃくちゃ増えたのもこの作品の頃からですね。海外の方も知ってくださって、僕から入ってFANTASTICSを知ってライブに来てくださる方もたくさんいらっしゃったので、それもすごく嬉しかったです。ただ、『飴色~』に関しては、今やったら全然違う作品になるだろうなとも思うんですよね。今映像を観ると、“もっとこうできたんじゃないか”とか反省点も多くて…。でも、あのときだからこその良さというか、あのときだからこそ表現できたキャラクターであったのも間違いなくて、大事な時期に出会えた大事な作品だったなと思います」

「俳優・木村慧人」からFANTASTICSのファンになっていくという人も多いという。ただ、どの作品のどの木村慧人を見たかで印象はだいぶ違うのではないだろうか。

「それはそうですね。『さっちゃん、僕は』から入った人はきっとすごくビックリしてますよね(笑)。たぶん、今回の『レッドブルー』から入る方にもまた驚いてもらえるんじゃないかと思います。ドラマで知ってFANTASTICSのライブを観てもらえるというのは最高なことなので、そんなふうに広がっていってくれたらいいなと思います」

(つづく)

木村慧人(きむら・けいと)
1999年8月16日生まれ。東京都出身。9歳でEXPG STUDIOに入校。アーティストのサポートダンサーとして経験を積み、2016年12月に「FANTASTICS」を結成。2018年「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。映画「HiGH&LOW THE WORST X」など俳優としても活動し、2022年MBSドラマシャワー「飴色パラドックス」ではW主演を務めた。同年10月には舞台「BREAK FREE STARS」で舞台初主演、2024年にはドラマ「さっちゃん、僕は。」でテレビドラマ単独初主演を務める。EXILE TETSUYAがアンバサダーを務めるLDH JAPANのキッズエンタテインメント「KIDS B HAPPYプロジェクト」から、EXILE TRIBEメンバーを中心に集められた新ユニット『EXILE B HAPPY』のメンバーとしても活動中。

●作品情報
ドラマイズム「レッドブルー」 2024年12月17日(火)初回放送スタート
MBS: 12月17日(火)より毎週火曜24:59~
TBS: 12月17日(火)より毎週火曜25:28~
公式HP: https://www.mbs.jp/redblue/

出演:木村慧人(FANTASTICS) 長谷川慎(THE RAMPAGE)  椿泰我(IMP.) 山下永玖(ONE N' ONLY) 大久保波留(DXTEEN) 武知海青(THE RAMPAGE) 大倉空人(原因は自分にある。) 須見和馬(DDTプロレスリング)
佐野岳  笠松将

監督: 林隆行 古澤健 アクション監督:田渕景也 MMA監修:岡見勇信
脚本:たかせしゅうほう 木村暉 目黒啓太 制作プロダクション:C&I entertainment
製作:「レッドブルー」製作委員会・MBS

原作情報
原作:波切敦「レッドブルー」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)コミックスは11巻まで発売中です。