手紙を読んだプロデューサーからの連絡が

 普段なら出ない非通知の着信に、アレン様は「なぜか出ようと思った」といまも不思議そうに話す。

「それが番組のプロデューサーからの電話だったの。だから、全部行動して自分で結果を手繰り寄せたってことだったのよね。その2つがなかったら、ゴールデンタイムの番組にいきなり出るってこともなかったし、いま、こうなっていないのよ」

 アレン様は、自ら芸能界への足がかりを手繰り寄せた経験を元に「絶対に行動に移したほうがいい」と念を押す。そして、2014年3月24日に放送された番組について、『全てアレン様が正しいでございます』では、収録中の発言が編集によって当初意図していたものとは違う取り上げられ方をしたと、ショックを受けたことを綴っている。

「本当にヤバい番組でした」

ーーほんの10年前の番組ですが、整形に対しての偏見が際立った内容で、ほとんどの出演者がアレン様を責めたり説教をしたりするという演出でした。そんな中でアレン様の発言や考え方が、現在とブレずに一切変わっていないことにも気づきました。

「そう、ヮタクシはブレてないの。いくら責められようともやりたいことをやってるだけだもん、って。昔からどう見られてもどうでもいいし、生きたいように生きているだけですから」

アレン様 撮影/三浦龍司

 一方で、自分を変えてくれたことは前向きに捉え続け「テレビはめっちゃいいツール」と明るい表情で話す。

「いまはYouTubeで自分のやりたい企画や自分が見せたい自分を見せることができるし、前みたいな“テレビに出たい”という欲求はなくなっています。でも、オファーがあったら出たい。自分に合わない企画に無理をして出ようとは思わないし、“我慢するから出してください”という考えはまったくないですが、ヮタクシのよさを出していただけるなら出ます」

 そして最後にこう付け加えた。

「出るなら全力で頑張りますよ、ヮタクシは」

 このまっすぐな誠実さがあるからこそ、アレン様はCHANGEを手繰り寄せることができるのではないだろうか。

アレン様
大物マダムタレント。生きる幻。中学時代に激しいいじめを経験し、非行に走り少年院に入院。高校に進学するも17歳で中退して上京する。19歳で初めて整形を行い、現在まで施術額は1億円を超える。2014年3月に『私の何がイケないの?』(TBS系)に出演したことをきっかけにタレントデビュー。2020年に『アウト×デラックス』(フジテレビ系)への出演で一般知名度が急上昇。近年は活動の場をSNSやYouTubeに移し、その一挙手一投足が常に話題となっている。イベントを開催すれば即ソールドアウト、最近では「アレン様の写真を待ち受けにすると幸運が訪れる」という伝説まで誕生した。

書籍『全てアレン様が正しいでございます』公式ページ
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